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【No,28】
施設名: 特別養護老人ホーム魁聖園
職名: 次 長 氏名: 宮崎 修二
高齢者福祉の基本理念と高齢者観について


 「高齢者問題」「高齢化社会危機」このような言葉に何の疑問も抱かなくなってはいないでしょうか。最近の長寿者の増大は、本来であれば喜ばしいことであるはずなのに、なぜ「問題」とされているのでしょう。それは、高齢化社会が当然となってしまい、麻痺してしまった質の低い高齢者観や希薄な人権意識から生まれているのではないかと私は考えます。
 私たち福祉職の業務として、排泄・入浴・食事の介助、身体的苦痛の軽減、介護予防、リハビリテーションなど、より良いサービスの提供、より早いニーズの発見・把握と解決に日々努力しておりますが、問題は、果たしてそれが高齢者にとって十分な幸福か、ということです。私自身に置き換えてみると、どんなに身体が健康でも、食事がおいしくても、贅沢ながら、それだけでは自分の生きている価値を見出せない気がします。

  私共の施設にはケアハウスが併設されており、中に104歳の女性入居者がおります。高齢で自立した生活をされ、周りからは「こんなに長生きできて幸せですね」とよく声をかけられておりますが、本人の口から出るのは「もっと世の中の役に立ちたい」という言葉なのです。真の高齢者福祉とは、単に延命させることではなく、個々に応じて主体的に社会との係わりを持つということではないでしょうか。104歳の方に大きな労働をさせることはできませんし、それぞれ介護度等も異なりますが、声のかけ方ひとつ、スキンシップひとつででも、一人ひとりが「長生きしてよかった!」と思える存在価値を見出すことも、私たちの役目です。

  知らず知らずのうちに、高齢者の存在を抹殺してはいないでしょうか。それは、いずれ高齢者となる私たちの明日もない、ということを意味しています。いま一度、自分の高齢者観を見つめなおし、施設全体のサービスの向上、高齢者福祉全体の更なる発展につながればいいと思っております。




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