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【No,44】
施設名:
大館市養護老人ホーム成章園
職名:
施設長
氏名:
内藤 捷美
ただいま奮闘中!
事務室前のロビーで毎日小さな声で歌を口ずさみ、遠慮がちにハーモニカを吹く利用者がいる。歌の本は使い古し、手垢で汚れているが、それでも大事に手提げに入れシルバーカーを押しながら毎日ロビーに来る。ハーモニカは誰から習ったわけではない。自己流ではあるが、よく子供に「お母さんハーモニカを吹いて」と言われて吹いたものだと訥々と語ってくれた。どんな人生だったかは分からないが、ハーモニカを吹く姿に何か温かさを感じる。
昭和26年に開所した本園も今年で53年目になる。現在入所者は80名、平均年齢は83.3歳であるが、車椅子使用者は13名、シルバーカー使用者は35名、歩行器使用者は4名、介護認定を受けた方が48名で、その数は年々増え続け、介護支援や諸事業の展開に支障をきたしてきている。介護認定を受けた方のうち介護度4が4名、介護度3が5名で、最近では介護度が5に上がった利用者もいる。介護度が3以上になったら特別養護老人ホームへの移設が可能なわけであるが、受け入れる施設が飽和状態では現状を維持するしかない。昔では考えられないことである。特養なみの支援が必要になってきた。
心豊かに生き生きと生活できるようにするためにはどうすればいいか。成章園をよく知る人は昔はこうではなかった、皆元気で楽しかったよと言う。考えてみれば、入所してから10年20年と入居している人がいるわけで、高齢化、ADLの低下は当然のことである。
私たちは、利用者個々の自立支援を軸に協議し、工夫をして対応してきているが、如何ともしがたい状況である。運動会を見直す、旅行は小グループに分けて行う、クラブはなるべく運動量の少ないものを選ぶ、等々。利用者の状況に合わせながら対応していきたい。個々のレベルを下げないように工夫しながら…。職員20名ただいま奮闘中である。
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