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【No,131】
施設名: 特別養護老人ホーム真森苑
職名: 生活相談員 氏名: 富樫さつ子
老人福祉の変遷


 昭和47年より老人福祉施設に勤務、特別養護老人ホーム一筋、現在に至る。タイムスリップしてみると、私はこの問4つの特別養護老人ホームにご縁があり勤務した。入所定員は同じでも施設が変わるたびに建物は大きくなっていきました。1居室6人から8人があたりまえ、廊下の狭さ、天井の低さ、設備も今とは比べものにならないものであったため、手作業も多かった。にも関わらず、なぜか気持ちに余裕があった。それは介護の内容にあった。
 週1回の入浴、おむつ交換一律定時交換、殆ど自立に近い人が3割もいて、職員の手伝いをしてくれ、食事介助までしてくれた。大きな家庭のようで私達は利用者さんに多くのことを教えられ育ててもらった。
 今振り返ると、ひどい介護をしてきたと反省するも、その時はそんなものだと思っていたし、「利用者さんといっしょに」という気持ちがした。職員の勤務も8時30分から17時30分で、夕食を16時30分頃出して後かたづけをして退勤。

  朝食は夜勤者2名だけで行った。それでも管といえばフォーレが数名いるくらいで、流動食の利用者さんはもちろんなし、介助を要する人は少なかった。だから利用者さんの手伝いは大きな役割を持っていたし、ありがたかった。
 今はどうでしょう。たしかに全個室、ユニットケア、全館すばらしい設備で明るく、地域に開かれた、だれでもが出入り自由。

  でも私は年齢を増すごとに、はたして入所している利用者さんは望んでいるのだろうか。もちろんプライバシーや個室を重視する人もいるでしょうが、今、施設を利用されている方々は大家族で、にぎやかに暮らしてこられた方々が多いと思う。そして現状をみると重度者が多く、自分でどうにか自由に動ける人は介護保険が始まってからはめっきり減少した。入所条件である緊急度を重視するとなると、「介助なしでは移動もできない」となると、個室に入り、ひとりの寂しさ、認知症の進行を防ぐために職員はどれだけ関われるか。あまりにも症状の多様化、個別援助の多様化で業務をこなすのが精一杯で、利用者さんの心の叫び(ケア)に気が付いているのだろうか。
 ゆとりある介護、満足のいく心のケアができる日が一日も早く来ることを願っている昨今である。




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