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【No,161】 |
施設名: 特別養護老人ホーム 神山荘 |
職名: 介護職員 |
氏名: 佐々木 量子 |
思いがけない障害……そして今 |
「52歳男性」と聞けば誰もが働き盛りの方を連想されるでしょう。S氏、確かにこの方も1年前までそうでした。しかし、現在は特別養護老人ホーム 神山荘のショートステイを利用されています。この方の身に何が起きたのでしょうか。
それは「高次脳機能障害」という病気でした。この病気が人生を大きく変えてしまったのです。知覚・記憶・思考・判断などの認知過程と行為の感情を含めた精神機能に障害が生じ、注意力・集中力低下、感情や行動の抑制が利かなくなるのです。問題行動が多々あるため、他施設やデイサービスの受け入れ先がなくなり、現在は神山荘のみの利用です。(1ヶ月のうち、20日以上の利用です。)
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病気のなせる業なのでしょう。暴言・暴力行為、失禁、妄想、徘徊、度重なる転倒が毎日のようにあるのです。常に目が離せず、介護では一対一で付ききりです。「事故」の二文字が常に頭をよぎります。介護の現場でも様々な問題が生じています。
スタッフ一人がこの方に付ききりのため、日常業務に支障が生じ、他利用者への支援がままならないのです。
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「問題行動はなぜ起きるのか」毎日のようにミーティングで話し合いを続け、行動・精神面の状態を把握し、報告を的確に行っています。それを踏まえ、医療機関へも通院していただいております。
行動の抑制は逆効果なので、この方の全てを受け止め、話をよく聞き、一つ一つ意志確認をし、いつでも自由に行動していただき、スタッフは見守り、手を添える支援を続けております。
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しかし、現状は3ヶ月前よりかなり悪化しており、施設長はじめ、各セクションから関係者が集まり、奥様を交えて今後の支援のあり方について話し合いを行いました。
この病気に対処するには、家族・医療・看護・介護の分野が皆状況を把握し、情報を伝え、連携を密にして取り組んでいかなければなりません。
われわれスタッフ一同、この方の力になれればと願いつつ、今後も温かく見守っていきたいと思います。
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