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【No,165】
施設名: 特別養護老人ホーム 希望苑
職名: 生活相談員 氏名: 児玉 好子
グループケアにたどり着くまで


 生活相談員になり今年で6年目。ただ無我夢中で毎日を過ごしている今日この頃です。
 当初は全員離床を目標にし行っておりましたが、ただホールに座らせて職員は寮母室で見守りをしながらケースを書く。という感じで、それでも全員離床をクリアしたことで満足感があったのですが、ある日ある外来者より「これから何かあるのですか」と、外来者から見ればただ、じーっと座っているだけで異様な雰囲気であったことと思います。
 せっかく全員離床を達成できたのだから、何かもっと入居者と関わっていけたらと思い始めるようになりました。
 当苑の建物はコの字型になっているので、これを利用して3つのグループに、しかもADL毎に分けて余暇の時間を充実させたかったからです。ADLに分ける(ほぼ自立可能な人、徘徊等があって見守り必要な人、全介助を必要とする人)事により余暇のプログラムを立てやすいのではないかと思いました。余暇の時間(入浴日以外のおむつ交換後から夕食準備時間まで)だけグループに分かれて行い、そのグループで1か月のプログラムを立て、そのグループに合った過ごし方を試みました。その時は一連の業務は流れ作業的でしたが、入居者と職員が関わる時間を多く持つことで入居者の目が輝き始めてきました。

 このままのグループで職員を固定配置し、ソフト面からでもグループケアを始めれないものかと考えるようになりました。施設長からの後押しで職員も数名増員して頂き昨年の4月よりグループケアを始めております。短期間で施設見学や準備等を行い、主任や各グループリーダーが職員たちからの意見をまとめ各グループで目標を立て、それに向かおうということになりました(1グループのみ共有スペースを確保できました)。
 以前の業務の流れから抜けきれない職員もおり、自分たちのグループは難儀で他のグループは楽であるなどの苦情も出てきておりましたが、今は各グループで競争意識さえ抱くようになって、これもまたいい事なのかなと思えるようになりました。


  週2回の入浴から毎日の入浴に切り替えました(基準は週2回)。毎日少人数で入居者も職員もゆっくりとした気持ちで入浴できるよう試みました。毎日の入浴することによって入浴中止者がいなくなりました。本人希望等で随時の入浴も行っております。グループケアに取り組んで個別ケアの充実が図れるようになってきました。
 今まで試せなかった、試そうとしなかったおむつはずしの徹底、口腔ケア、パジャマの着替え、身体拘束ゼロの徹底等を各グループで進んで取り組んでおります。又、お楽しみ会・誕生会・随時の外出・ドライブ、時にはゲームやカラオケ・体操・足浴等も組み入れております。
 今年でグループケアに取り組んで2年目に入っておりますが、職員の固定配置で入居者との馴染みの関係が築けるようになってきていることは確信できます。
 中庭の一角に職員たちが花壇や畑を耕し入居者を楽しませております。時には大先輩である入居者が畑作りの先生になってくれたりする時もあります。畑で収穫された野菜を入居者から刻んでいただいて、その場で味噌汁やお漬物を漬けたりしているグループもあります。ここのグループ(共有スペースのあるグループ)では入居者からお米を研いでいただいてその場でご飯を炊き、その匂いを生活の場に漂わせております。どのグループも自分たちのグループに合った目標に向かい、知恵を出し合いながら毎日を過ごしております。


  先日の家族会で、あるご家族がグループケアを行ってから入居者の目が生き生きしてきているように感じられる、以前とまた違った感じがしている。とのお言葉があり大変うれしく思いました。
 グループケアに取り組んでの1年目は職員たちの盛り上がり・気づきで思ったよりスムーズに行えたのですが、今年度に入り職員の異動等の関係でどのグループも前進できずに足ふみ状態になっている現状です。
 現在施設内の一部改修工事にとりかかっております。これからはハード面にも力を入れ、落ち着きのある住みやすい環境づくりに職員一同がんばって行きたいと思っております。
 グループケアは職員の意識、チームワーク、気づき等で成り立つものではないでしょうか。





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