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【No,167】
施設名: 特別養護老人ホーム
職名: 施設長補佐 氏名: 土肥 稔


 私たちの職場、憩寿園の玄関先に置かれたプランターは、ピンクのベゴニア、そして深紅のケイトウの花であふれている。中庭の花壇には黄金色に輝くマリーゴールドで縁取られ、そのなかで真っ赤なサルビアや薄桃色のコスモスが風にそよいでいる。10月間近というのにアサガオがまだ鮮やかに咲いているし、どういうわけかスイカまでが小さな実をつけている。いつのまにか見えなくなってしまったが、芝生にはネジバナもいっぱい咲いていた。わが憩寿園はなぜか花々があふれている。

 「なぜか」というのは愚問であって、玄関のプランターは教職を退任されたSさんが、その専門知識を生かして植えてくれたものだし、花壇の花々は農業近代化ゼミナールの人たちがボランティアで堆肥を入れ、苗を植えてくれたものだ。アサガオやスイカ、それにネジバナはどうやら職員の誰かが持ち込んだものらしい。どう見ても体育系の施設長が朝早くきては花に水をやり、職員が始業前に花の姿を整える。こうした、花を愛する人たちによって憩寿園は彩られているのである。


  四季おりおりに咲く花は,閉鎖的な環境になりがちな入所者に季節の変化を告げてくれるだけでなく、来訪者や職員を含めた多くの人たちの心を豊かにしてくれる大切な財産である。
 憩寿園に咲く花の中には、どうやら前年の花のこぼれ種らしきものがいくつもある。以前に咲いた花から未来への贈り物なのだろう。


  今、憩寿園で暮らしている多くの方々も、以前は社会の中で一生懸命働き、自分や家族や、そして周りの多くの人たちの心や暮らしを豊かにしていった人たちである。私たちの周りには、穏やかに暮らしている入所者の方々がかつてこぼしていった種から育った花がいっぱい咲いているのではないだろうか。お互い同士が知らないうちに。





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