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【No,197】
施設名: 特別養護老人ホーム 青山荘
職名: 看護主任 氏名: 武田 節子
胃瘻から経口摂取に


 当施設は平成14年4月にユニット型式で全面改築整備を行い、8ユニットとなっています。要介護度平均4.37と重度化が進み、経口摂取困難者が増え、現在28名の経管栄養(胃瘻造設者)がいます。人生の最終章もできるだけ口から摂取させたいという思いから、経口摂取の再現に取り組みました。
 今回、92才・介護度5・状態像C2Wの事例を紹介します。
 平成3年に認知症を発症。平成15年の入院をきっかけに寝たきりで経口摂取不可となり、胃瘻を造設。平成16年に当施設入所となったが、落ち着きなく体動あり。胃瘻チューブ抜去行為が見られたり、興奮時は夜間の不眠も見られました。
 或る日、ユニット内で毎日行われているお茶会の際に、おやつを食べている他の利用者の側に寄って行き、「自分も食べたい」と意思表示がありました。試みにヨーグルトを一口、口に入れてみると上手に飲み込むことができ、半分くらい自立摂取しました。これをきっかけに経口摂取のためのプランを看護師・相談員が中心となってケアワーカー、栄養士と可能性の是非について協議を重ねました。(家族の同意と主治医の許可を得ている。)経口摂取の状態を見ながら徐々に食事形態をアップしていき、特に問題がなかった為、胃瘻を中止して経口摂取としました。

  成果として座位保持が向上し、車椅子の自力操作が可能となり、精神面も安定。おむつをはずす不潔行為が解消され、会話のやりとりができるようになり、コミュニケーションがとりやすくなりました。
 ユニット共用部分への離床を機に、経口摂取願望が刺激され、自発的意欲をもってくれたのが、うまくいったと思われます。

  平成17年10月の介護保険法改正では、経管栄養から経口摂取へのレベルアップも重要視されています。経口摂取への移行はリスクを伴いますが、改めて医師・家族・スタッフと連携をとり、施設全体で取り組むことが大切だと思いました。




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