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【No,397】
施設名: 特別養護老人ホーム 真森苑
職名: 生活相談員 氏名: 山田 喜明
となりのトトロ


 先日、娘が小さい頃大好きだった「となりのトトロ」を久し振りで見た。娘と一緒にビデオテープが擦り切れるまで見ていたため、ほとんどのシーンや台詞も覚えていた。その中で、昔の秋田の風景と重なる場所が随所に見られた。かん太の家庭の風景、さつきが傘を返しに行った時の母親の対応、かん太のばあちゃんの畑に自然と入り「おばあちゃんの畑って宝の山だね」と感動して言うさつき。今と比べたら経済的には貧しかったのかもしれない。しかし、幸せという観点からすると果して当時は貧しかったのだろうか。
 田植えの風景〜結い制度により皆が協力し合って苗を植えている。もちろん子供も労働力である。メイが迷子になるシーン(池から子供の靴が見つかった)では村のみんなで捜索、池さらいをしている。もちろん村のみんなが、メイのことを気にかけている。メイはメイで病気で入院中のおかあさんに「トウモコロシ」(メイはそう言っている)を食べてもらいたくて病院へ向かったのである。(まあ、原因は他にもあるけど)そんな、純粋なメイとさつきをトトロは助けてくれる。

  各家庭には父親という大黒柱がいた。大きな「くすのき」のある祠が村を守ってくれる。どっしりとしている存在、頼りになる存在が怖くてもあった。精神的な支え、いつの日か立ち向かったり、なかなか超えることはできないけれどもいつかは超えていかなければならない壁それが父親だった。だからこそ尊敬へと年齢とともに変わっていく。
 大黒柱が不在なのが現代社会ではないか。(極論です。)国にも、地方にも家庭にも共通して言えるのではないか。壁がないから、その周辺で小さなことに大騒ぎしている大人達。それに踊らされる政治家、国民。「もうなんとかしてー」という感じである。

  少子化の時代だから、子どもに手厚い政策をと目先の工夫がなされている。近々の課題だけにそれも必要なのだろう。その一方で過保護に育てられた子供は、勉強はできても社会性は欠如している。その子供達が大人になり社会を形成していく。どこかで、家庭とは生活とは、社会とはという本来単純な、むしろ自分達が難しくしてしまった課題に立ち返る必要が現代にはあると思う。大人にはトトロは見えない。純粋な子供にしか見えない。でもさつきやメイの両親は子供のいうことを否定しない。信じている。
 トトロがいるかも知れない社会や自然を取り戻したい。背伸びしすぎた社会や経済は後退してもしかたがない。人間そのものに焦点をあてて、上を見るのではなく、自分の背丈にあった幸せがみんなつかめるような世の中であってほしい。
 ちなみに私は自給自足できるよう畑仕事に2年前から精を出しています。いつか、「おじいちゃんの畑って宝の山だね」と孫に言われるように…。




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